▲節水要請の垂れ幕、後ろの景色と合わせると説得力がありすぎます。
豊橋・豊川など東三河地区の水ガメである宇連川(うれがわ)上流にある「宇連ダム」。
ここ最近の降水量不足でダムの水が枯渇し、三河地区では節水が呼びかけられています。
http://www.water.go.jp/chubu/toyokawa/
この金曜日(8/30)には貯水率が3.0%となった一方で台風15号が接近、台風被害の懸念もありましたが貯水率の回復が期待されていました。
しかし台風15号は途中で消滅、この週末のまとまった雨は叶わぬものとなり、貯水率の回復はまったく期待できなくなってしまいました。
毎年どこかで渇水のニュースはあり映像で見たことはあるわけですが、実は実際に見たことがありませんでした。
「貯水率3%」というのも聞いたことがなく、これはいっそ見に行ってみるか!と思い立ち行ってみました。
えぇ、いつも通り思い付きです(笑
まずは豊川駅から飯田線で三河河合駅へ。
この駅はこれから向かう宇連ダム建設時の資材搬入駅であり、いくつかの側線を含めて広々とした構内が広がっています。
同じく飯田線の中部天竜駅も佐久間ダム建設の資材搬入で大いに栄えた駅なんですよね。
さて、本来ならばここから3kmほど山道を歩いてダムへと向かう予定だったのですが…
車で追いかけて来てくれた友人と合流、思いがけず車で宇連ダム・湖底集落跡巡りができてしまいました。
※車がたまたま手元を離れており、電車・徒歩で行こうというのがそもそも浅はか(苦笑
そんなわけでエアコンが効いた車内で友人に感謝しつつ、一瞬で宇連ダムへ到着。
▲今日(2013年9月1日)の貯水率はまさかの2.0%。
本来水をなみなみと湛えているはずの鳳来湖は文字通り「干上がって」しまっていました。
豊川用水総合事業部のHPでは平日最終日8/30の数字しか出ていませんでしたので、順調に貯水量が減ってしまっています。
ここまで来るともはや取水できる水量ではない気もしますが。
不勉強ですが「有効貯水量」みたいな数字はあるのでしょうか。
そして今の水面も「ほぼ湖底」と思われ、各所から立ち枯れした木が見えています。
少し先には元から標高が高かったと思われる陸地が既に確認可能に。
県道424号線をちょっと上流方に移動して集落跡全景を俯瞰。
どれが、とは判然とはしませんが道や畦、建物の基礎のようなものも見てとれます。
間違いなくここに「人の暮らし」があった証拠です。
▲湖底から姿を現した橋(twitterで使用中)
さらに集落跡の少し上流には橋がそのままの姿で出現していました。
右手側の欄干が崩落しかけていますが、ほぼ現役時代の姿をとどめているのではないかと思われます。
橋の右手側(上流側)にはアプローチの石垣も崩壊せず残っています。
橋のアップ。
望遠で撮り、さらに明度も上げてみるとなんと「木橋」じゃないですか!
路盤に土が積もってはいますが、丸太が敷き詰められた様子も分かりますし、真ん中のコンクリート橋脚以外は全て木で構成されています。
宇連ダムの完成が1958(昭和33)年ですから、ダム完成当時からあるとすれば今まで55年間はここに、この姿で存在していることになります。
改めて計算してみるとすごいですね…
さらに上流から橋を見てみます。
前後の道のハッキリと分かりますね。
途中に落ちている大きな岩は恐らく両岸より崩落してきたものと思われます。
(真実はわかりませんが、岩の崩落が各所で見られたためそう推測。)
これだけの巨岩が崩落してきてる中で橋に直撃せず、残っててくれたのはまさに奇跡ですね。
そう考えると、次の渇水時に見られるとは限らないわけですね。。
ネットで軽く調べてみたのですが、この集落や道の起源にはたどり着けず。
宇連ダム管理塔か、それとも大島ダムなのか、豊川用水の資料自体にあたらないと分からないかもしれませんね。
現在鳳来湖沿いを走る愛知県道424号線はダム完成より少し後の1972(昭和47)年認定のようですから、単純に「県道424号線の旧道」とは言えなさそうです。
道の向かっている先が同じ方向なので、用途としては同じなのでしょうが。
<おまけ>
ダム湖の末端よりもう少し上流に行ってみたら、川面まで下りれる場所がありました。
(地元のおっちゃんがいたので降りてみましたが、結構きつい坂で、迂闊に降りるのは危険そうです。あくまで自己責任でお願いします。)
降りてみると…なんか見るからに旧道チックな石垣がキレイに残っています。
一番上のガードレールが現道ですので、恐らくその旧道にあたる道だったのでしょう。
路盤の上は草生していたので、水がなくなってからは少し時間が経っているのでしょう。
この路盤も今日見た限りでは常に陽の下にありそうな感じでしたが、周囲の状況や路盤のそこここに落ちていた流木を見るに恐らく「普段は水面下にある場所」と思われます。
次は水がなみなみとある時期に来て、どこまで水面があがるのか確認してみたいところです。
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