桜咲車両工場ブログ支区

桜咲車両工場の別館。 工作記録を中心に、名古屋から鉄道まみれの日々をお送りします。

留萌本線の一部廃止と石勝線運転再開
留萌本線の増毛~留萌間廃止から早くも10日。
記事も書こう書こうと思っていたのに、驚くほどのスピードで時が経ってしまいますね。


▲廃止の当日、「増毛駅」の名が東海道線車内のニュースでも。
増毛駅は二度ほど訪れましたし、せっかくなのでその時の写真でも。


▲増毛駅 @2008年3月


▲留萌~瀬越(車内より) @2008年3月

2008年当時はまだ増毛駅構内や車内も閑散としており、もちろん構内にポール等も立っていませんでした。

留萌駅を出てすぐ、港へと向かう旧臨港線(旧留萌鉄道南岸線)のトラスと本線のトラスが2つ並んでいましたが、今回の廃止でどちらも引退となってしまいましたね。
ほぼ同時期とはいえ開業時期が若干異なるため、トラス橋の形態差があるのがなんとも魅力的でした。



▲増毛駅 @2015年7月

2015年、まだ留萌本線に乗ったことが無いという友人とともに再訪。
この時は既に廃止の話が出ており車内・駅ともに多くの人出があり、驚いた記憶があります。

構内にもポールが立てられ、撮影者や観光客が線路内に侵入しないよう図られていました。
盲腸線の終点にある最果て感が薄れてしまったのが残念でしたが、こればかりは安全が最優先であり如何ともし難い部分でしょう。

逆に「廃止になる」という事が現実の事であると資格に訴えてくるようでした。
寂しいですが、私の立場から「残すべきだ!」なんて口が裂けても言えませんけれども。

行こう行こうと思っても、どうしても留萌は乗換点となりしっかり訪れたことが無いまま留萌~増毛間の廃止を迎えてしまいました。

留萌駅構内や臨港線、羽幌線の廃線跡等々留萌を中心に訪れてみたい箇所は多々あるのですが、他を優先してしまうとどうしても後回しになってしまいます。
そうして時が経つにつれ色々な景色が変わり、下手をすればこうして鉄路が無くなってしまう。

時間も金も掛かりますが、やはり少しでも見て回りたいものがまだまだ沢山あります。


そんな感傷にひたっている内に、嬉しいニュースが舞い込んできました。

「特急スーパーおおぞら・とかち22日再会 JR北海道」(道新2016/12/14)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0348231.html

「特急おおぞら22日再開 「運休でJRの大切さ実感」」(道新2016/12/15)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/doto/1-0348480.html


2016年8月の台風被害で不通となっていた石勝線・根室本線のトマム~芽室間が運転再開となるため、札幌~帯広・釧路を結ぶ特急がついに運行再開となるとの知らせが。

秋の農作物出荷シーズンには間に合わず大変だったとは思うのですが、人の往来が増えるクリスマス連休や帰省シーズンを前に再開となるとは、関係者の方々の努力に頭が上がりません。

人の行き来がしやすくなり、また被災前の状態に戻ることで道東の空気が動き出すことを願ってやみません。

多くの問題やものの見方が存在し、批判、意見も絶えませんが、個人的に思うのは「鉄道は公共交通だ」というのであれば地域が一丸となってその存廃については考えなければならないでしょう。

今は北海道やJR北海道が取り沙汰されていますが、それに限らず日本全国にも当てはまる話です。

身も蓋も無いですが、乗らない、金も出さないのであればそれを公共性の名のもとに民間企業へ押し付けるのはどうなのか。逆に「民間企業」に対して赤字経営を強いる方が間違っているでしょう。
経営努力というのは民間だけに限った話ではなく、公においても「どう稼ぐか、どう使うか」という部分は努力しなければならない事案のはず。

現実を見ず、現実味の無いコメントを表明しているだけでは話は平行線のままで時だけが経ち、ジリ貧になり次々と鉄路が廃止、悪循環で地域はさらに衰退し…という未来しか見えません。

そうした意味では夕張市の石勝線廃止と代替交通路の確保に対する協力要請というのは、上手いやり方のように思えます。
夕張地区から見ると、無理に石勝線を残すより札幌~夕張の直通バス存続(あわよくば増備?)の優先順位が高いでしょうし、新夕張~夕張の移動はバスでも問題ないのでしょう。

どうやってそれを行う資源を確保するか、としたら石勝線を無理に維持しようとするより同じ金額でバスや代替交通手段に力を入れた方が良いでしょう。

取捨選択、資源の効果的な集中が求められる時代になりつつある、ということは我々も日頃から意識しなければならない事でしょうね。

話が大きくなりつつありますからここまでにしようと思います。

個人的には、北海道は鉄路での移動が一番と思っています。
北海道の上手い酒を飲みながら雄大な北海道の自然を見ながら移動する。そんなことがこれからも出来るといいなぁ、という思いがあるのは確かです。

~おしまい~

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