桜咲車両工場ブログ支区

桜咲車両工場の別館。 工作記録を中心に、名古屋から鉄道まみれの日々をお送りします。

樽見鉄道乗車記録

115系1000番台の記事が続いている途中ではありますが。

先週の日曜、岐阜県内を走る「樽見鉄道」に乗車してきましたのでそのレポートです。

東海道本線大垣駅から樽見を結ぶ第三セクター路線で、2006年3月まではセメントを運ぶ貨物列車が運行され、また桜のシーズンには自社所有の客車(12系や14系)での臨時列車が運転されていました。

…とまぁネット上の知識なわけですが(苦笑

セメント貨物はなくなり、客車もすべて廃車され…今のところ2012年度までの存続は決定しているようですが、それ以降についてはまったく先が見えない、という状態の路線です。

さてさて。
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切符を入ってJR線の片隅に設けられた切り欠きホーム、6番線で待っていたのはなんと新潟トランシス製のハイモ330-701。
樽見鉄道の最新型で2010年製造というんだから驚きです。
そして車内も驚きのハイパーロングシート(笑

IMG_2242.JPG本巣止まりの列車だったため一旦下車、上りのハイモ295-516との交換を撮影。

といってもこの後乗ってきたハイモ330は樽見方へ引き上げた後、写真向かって右側の線へと転線、後から来たもう1本の本巣止まりの列車からの乗客を待って本巣始発樽見行きの列車となったのでした。




後から来た本巣止まりを樽見行きにすればいいのでは…?と思ったのはここだけの話。

IMG_2272.JPGその後の方の本巣止まりはハイモ295-315。
少し前にTOMIXから発売されていたのでちょっと気になっていた車。

模型から実車を知る、という変人です。






IMG_2253.JPG本巣駅の車庫にいたのはハイモ230-314とハイモ295-617。
ハイモ230の方は沿線の「モレラ岐阜」というショッピングセンターのラッピングになっています。

ハイモ295は元・三木鉄道のミキ300-105という車で、現時点では三木鉄道カラーのまま運転しているようです。





IMG_2260.JPG側面に大きな広告が入っていますが、三木鉄道の雰囲気は充分に残っています…って三木鉄道現役時代は知らないんですがね(苦笑


北海道好きとしてはキハ130と似たような雰囲気で好きなタイプのシリーズだったりするのです。





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本巣駅でしばらくの撮影タイムの後、ハイモ330にトコトコと揺られ…
…なんてもんじゃなくて結構いい速度出してました。
途中の神海(こうみ)駅までは1958年に国鉄により開業していますが、神海~樽見間は第三セクター後に鉄建公団によって1989年に建設・開業した区間。
高架橋やトンネルなど随所に「鉄建公団らしさ」が見られます。

…まぁそこも萌えポイントなわけですがw

一応は第三セクター化後の営業が上向きになったため1986年に神海~樽見間の工事が再開、鉄建公団によって建設という形のようです。

水鳥駅を出てすぐに長いトンネルで山を貫き、そのどんづまりが終点樽見駅。
うーん、公団線っぽい!(ぉ

国鉄線の転換区間だけでなく、三セクとしての新設区間も楽しめる樽見鉄道。
ぜひ…っていってもこんな特殊な楽しみ方する人はいないですよね!?(苦笑
 


IMG_2262.JPG本巣駅構内には今もだたっぴろい敷地と多くの側線が残されています。
言わずものがなセメントを運び出していた頃の遺産であり、現在は無用の長物。

住友大阪セメントが主要株主であるように、セメント輸送中心だった樽見鉄道からセメントがなくなった今、経営…というか存続自体はかなり厳しいものと思われます。




ここでひとつ思うのですが。
セメント会社は2005年度(=2006年3月)をもって鉄道による貨物輸送をトラックに切り替えたわけです。
その一方で2009年から本巣市が中心となる「樽見鉄道を活用した二酸化炭素排出量削減事業」に参加しています。

この二面性に疑問を持つのは私だけでしょうか。
※別にセメント会社を叩きたいわけではなく、もっと一般化したお話。
※セメント会社なりの収支計算があり、コストが鉄道>トラックとなれば仕方がないというのもわかっています

どこでも「公共交通の利用促進」という言葉を並べつつ、その一方で現実的には自動車交通へとシフトしている、というのが現状ではないでしょうか。
企業は経済活動上利益を出さねばならず、鉄道輸送→自動車輸送の転換でコストカットできるのであればそちらを選ぶのは当然のことです。

しかし、本当の意味で温暖化防止や環境対策をするのであれば、根本的に交通体系の見直しを図らなければならないはず。
通勤する社員さんの分で削減できるのなんて微々たる量じゃないでしょうか。

行政が主導となって対策を行うのであれば、またわざわざ「○○事業」「○○委員会」などとしてやるならそんな小手先のことばかりやっていて何になるというのでしょうか。

必ずしも「環境対策=地方鉄道の活用≒地方鉄道の延命」という式が成り立つとは限りません。
しかし、あるものを活用せず、廃れるのを助長し、放置すること。それだけでなく「見てくれ」の環境対策と「環境対策への参加」という謎の付加価値。

樽見鉄道の歴史と現状を見ているとそんな憤り・疑問を感じざるをえませんでした。


鉄オタですけど一方的に「鉄道を使え!!」っていうのは嫌なんです。
「総合交通体系」のひとつの手段として考えないと。
そんな気持ちだけでもわかっていただければ幸いです。。。

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