桜咲車両工場ブログ支区

桜咲車両工場の別館。 工作記録を中心に、名古屋から鉄道まみれの日々をお送りします。

能登半島に残された気動車たち~その1
先週末、能登半島まで1泊2日の遠征をしてきました。
初の北陸ではないものの、さすがに能登半島は初履修。

金沢に宿を取り、能登半島の先端に遺された気動車たちに会いに行ってきました。


▲本線上に遺されたNT102 @蛸島~正院

※廃車体が苦手な方は見ない方がいいかもしれません。
 撮った自分もちょっと痒くなる、というかモヤモヤするというか…



2005年に廃止されたのと鉄道能登線穴水~蛸島間には、2両のNT100形気動車が遺されています。
まずは一番末端に居るNT102を目指し、金沢から一気に蛸島へ。
※ホントはのと鉄道七尾線にも乗りたかったのですが、主目的がコレのため、今回は車移動。


蛸島駅の少し穴水方、田んぼを突きぬける築堤上にNT102は遺されていました。



まずは道路上より望遠レンズで観察。
蛸島方の先頭部は完全に草に飲み込まれつつあります。



道路がある反対側(海側)へ回ってみると…やっぱり完全に飲み込まれています。
真夏に訪問してる私も悪いんですが、この激藪では近づきようがありません。



よく見ると、車内にも草木の侵攻は進んでいるようで。
戸袋部の隙間から入ったのか、水抜き穴などから入ったのか、戸袋窓にミッチリ草が入り込んでいます。


▲穴水方から望む

こちらの方がまだマシですが、先頭部にはつる植物?が巻き付き始めています。
蛸島方のようになるのも時間の問題でしょうね。

動態保存時の名残か、ワンマン表示・「蛸島」行き表示が掲出されたままになっていました。

ネットで調べると廃線当初はNPO法人の有志の方々により動態保存がされ、また観光活用も模索されていたようですが、ここ数年(2008年頃~?)はそれもなくなってしまったようで。
どのように始まって、どのような経緯でやらなくなってしまったのか。ザックリ調べた限りでは細かいところまでは辿り着けませんでした。。

ちょっとモヤモヤした気分を引きずりつつ、穴水方へと車を走らせます。

目指すは旧藤波駅。
この付近にも1両のNT100が残されています。




GoogleMapで探すと、ちょっと見えてるんです(笑



というわけで、藤波~波並間に残されているNT123の写真です。
さぁどこにいるでしょう!と言いたくなるくらいの激藪に阻まれて脇の道路からはまったく見えません。



転落防止柵と欄干の間から無理くり撮影。
掘割区間のため周りから草木が迫りつつありますが、蛸島のNT102ほど緑に飲み込まれている様子ではありません。

また、掘割の中ということで海に近いのに潮風が当たりにくいのか、車体の状態はNT102より良いように見えます。あくまで「見える範囲だけ」ですが(笑

この跨線橋を境に穴水方は鬱蒼としている一方、蛸島方(藤波駅方)はちょっと開けていました。
藤波駅から歩いていけば辿り着けるかもしれませんね。
夏にはやらん方が身のためでしょうけれど(苦笑

一応「静態保存」らしいのですが、何をもって残されているのかは全く不明。
Wikiによれば宇出津駅に保存されていたものが移設されたとのことですが…
静態保存なのか、取り残されたのか…願わくば「この車がなぜここにいるのか、そしてここに能登線が走っていたこと」ぐらいは分かるといいですね。

遺された2両のNT100形の現状は思いのほか心に突き刺さりました。
廃線跡や保存車、朽ちかけの車両などこれまでも各地で見てきましたが、、この2両の現状が「保存」とはかけ離れた状態だったからもしれません。

複雑な思いを感じつつそのまま車を走らせ、穴水駅へ。
停車する気動車のアイドリング音が響き、係員さんも詰めるその駅には、間違いなく「生」がありました。

~続く~

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