桜咲車両工場ブログ支区

桜咲車両工場の別館。 工作記録を中心に、名古屋から鉄道まみれの日々をお送りします。

2024.4.1根室本線富良野~新得間廃止に寄せて
2016(平成28)年8月の台風10号による被災で運行休止のままとなっていた区間を含むJR根室本線富良野~新得間が2024(令和6年)4月1日付で廃止となりました。
富良野~東鹿越間こそ鉄道として復活したものの、東鹿越~新得(狩勝信号場)間は復活叶わぬまま廃止・バス転換となりました。


▲隣駅「おちあい」が掲示された新得駅駅名標(2010年撮影)
2016年に運行休止になる前に何度か乗車する機会に恵まれましたが、やはり乗車人員が少なかったのは紛れもない事実でして。「乗車することが目的」の利用客が多かった印象があります。私自身もフリー切符を使って乗っていたため、人のことは言えません。

滝川(ないし旭川)~富良野~帯広方面に抜けるには便利な線区でしたが、大きな需要があるかと言えば…旭川~帯広間には似たような区間を走る狩勝峠経由の都市間高速バス「ノースライナー」も運行されていて、廃止区間各駅の通学の足さえ確保されるのであれば、通過需要については十分拾えるまでになっているのかと思います。
(その区間に数十億円をかけて復旧させて、普通列車や微々たる数の観光列車を走らせても回収はできないですし、それ以外に優先的に投資すべき区間は山ほどある訳で。。)


▲魅力的な駅構造だった幾寅駅も、映画内だけに留まらず本当に廃止に(2010年撮影)


▲現役当時の落合駅(2011年撮影)

落合駅構内に敷きっぱなしのレールがルピナスの花に埋もれていく写真を何度も見かけました。
現役時代に通った駅がああなるのは寂しいもので、どうしても足が向かずそのまま廃止を迎えてしまいました。





▲2017年撮影

富良野~東鹿越間が復旧し、代行バスが東鹿越~新得間となった後に一度だけ同区間を訪問しました。
キハ40での狩勝峠越えはそれはもう魅力的な列車だったのですが、「快適性」という観点ではハイデッカー車両(高速バスタイプ)で運行される代行バスに軍配を上げざるを得ませんでした。
鉄道による大量・高速輸送のメリットが大きくないと、高速バスへ対抗はなかなかに厳しいものと思います。

根室本線の廃止に伴い。南富良野町では道の駅「南ふらの」を交通結節点としたバス路線の再編が行われ、輸送体系の見直しが行われています。
ちなみに、同道の駅には隣接して(2024年現在)ホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット・北海道南富良野」が開業したほか、アウトドア用品のmont-bell南富良野店が出店(2022~)するなど道の駅を中心としたにぎわい創出が企図されています。

鉄道がにぎわい創出の中心になれなかったのは趣味者として残念なのですが、地域の規模と需要に合った交通体系となり、地域の発展を祈るばかりです。

個人的には、開業したホテルがマリオット系列ということで非常に気になっているのですが、「ゆっくりと滞在した方が快適に過ごせる」であろうと思うと、「限られた休日にバタバタしたとしても色々行きたい・見たい」という気持ちと相反するので悩ましいところです。休日もお財布も余裕が出来れば悩むことないのですが(苦笑

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新年度が始まり「物流2024年問題」が段々と我々の生活に影響して来ます。路線バスの大幅減便や輸送費の値上げ等で既に影響は出てきていますが、これまでどうにかなっていた部分が「どうにもならなくなる」ことが増えるものと思います。
鉄道を含む物流がこの先どうなって行くのか、趣味者という立場ではこうして意見を垂れ流すことしかできないのですが、こうして話題として触れることも重要だろうなどと思いつつ、機会あるごとに触れることが出来ればと思います。

~おしまい~








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