桜咲車両工場ブログ支区

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上田交通5200系製作記~その1
いささか唐突であるのですが、とある車を作り始めました。

最近、あっちの工作をし、こっちの工作をし…とあちこち飛び気味なのですが、どうしたものか。。


35eb0bd4.jpeg今回作り始めたのは写真の車両。
上田交通5200系です。

車両自体は元・東急の5200系で全4両(先頭2両・中間2両)が製造されました。
そのうち上田交通(現・上田電鉄)には先頭車2両の2両編成が譲渡され、現在は1両が上田電鉄に保存されています。



さてこの5200系、一部メーカーから金属キットが発売されてはいるのですが、オークション等でもプレミアがつくほど希少なものになっています。

ではどのようにして製作するか。
素材は実車に最も近いグリーンマックスの東急5000系キット。これには5200系の先頭パーツが付属するため、これを使って5200系を作ろうと画策する方もかなり見かけます。

しかしここで挫折しかけてしまうのが側面形状。
5000系は裾に向かって絞り込むように丸くなっているのですが、5200系の裾をストレート。
また、中央部分を境にくの字に折れ曲がっているという決定的な差があります。

そのため、ドアを含めてこの部分をどう製作していくかが5200系製作のカギとなっていくわけですね。

それではさっそく製作工程に入りましょう。


P1020151.JPGまずは側面窓の下端を境に側面を真っ二つに。
窓枠があるのでこれが目安になります。

また、非常に硬いので刃を滑らせないように慎重に慎重に切っていく必要があります。
何回も何回も刃を通し、少しずつ切っていきます。




1両目は実験的要素も強いので作業は一歩一歩進めていきます。
両側面を一気に切断せず、まずは片側だけを実験。

P1020153.JPG切っていない側面パーツと付き合わせて側面をどれだけ作ればいいかを検討します。
難しいのはドアの下半分を再生しなければならないこと。ドアの段差をあらかじめ作っていかなければなりません。

この結果、エバーグリーンの1mm厚×2mm幅のプラ棒を画像のように3枚並べて接着、6mm幅のプラ板を作り、側面を再構成していきます。




P1020155.JPG下半分の再構成は先頭寄りから。
まずはぶった切った上半分を先頭パーツに接着。ここで垂直を出すのはなかなか厳しいのですが、垂直が出ないと車体にした時にゆがみがでてしまいます。
個人的な見解としてはGMの台車ケースを台座にしておくとちょうどよい高さのようです。この写真も左端は台車ケースで支持していたり。




側面上半分と先頭パーツが固着したら下半分の再構成を始めます。
乗務員扉と先頭パーツの僅かな隙間には0.5mm厚のプラを接着、そこへ6mm高×3mm幅にしたプラ棒をはりつけます。
これは乗務員扉になるので側面よりは一段下げて。下げ具合は上半分の凹み具合に合わせるしかないですね。

また、車体がくの字に曲がっていることから、各パーツは取り付ける前に接着面を若干斜めに削り落しています。

P1020232.JPG現物合わせにはなりますが客用扉が約7.5mm、ドア間が38mm程度になります。
少しずつ、かつ慎重に下半分にプラ棒を貼りつけていきます。表面を削って整えるのは箱にして強度を十分な状態にしてから。まずは大まかに形作っていきます。






P1020233.JPG先頭と側面上半分に隙間がありますが、これもあとから埋めます。
まずは大まかに下半分を再構成し、箱にすることを最優先に。

こうした車体キットを作る際のセオリーは「妻と車体・先頭と車体」のようにL字を2つ作ってそれをロの字型に、そこに屋根をはめる」という流れ。
しかし、そうすると側面の「くの字」が出せないので両側面を先頭パーツへ接着し、後から妻板を接着します。


確かに垂直を出すのに苦労はしますが、そうしなければ側面の折れが再現しにくく(妻面は当然5000系の車体断面のままですからね)なります。

写真のような状態にしてからドアと側面の間や上下側面の間など接着面の乱れや凹凸を処理していきます。
400番の耐水ペーパーや棒ヤスリ、彫刻刀を使用して、窓枠のディテールを削り落してしまわぬように。


その作業中で先日の事故が発生したわけです。
P1020237.JPG妻板が5000系の車体断面のままなので、これの一部を切除→プラ棒で再生という形をとろうとしました。
その作業中に先述の用に「硬い」プラを切ろうとちょっと力を込めたことろ…下の柔らかいプラ材ごとごっそり切り落としてしまいました。

ついでに指もざっくり切りましたorz



常に新しい刃を、というのは工作でも当然のことではありますが、何しろ「新しい刃は切れやすい」というわけでしてプラも指もすっぱり、といったところです。
車体を持ちながら作業していると「刃の先に指を置かない」という常識を忘れてしまうことがある、その痛い教訓になりました。

さすがに写真は怪我への処置も済んでから撮っています(笑

この部分はちゃんと削ってから同じ厚みのプラ棒を貼り付け、再再生をしていきます(苦笑

大まかな再構成も成功し、久々の怪我もばっちりしたところでまた次回。

次回は裾を再生してきます!
 

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